味の素食の文化ライブラリーとは?魅力と利用方法をご紹介

こんにちは!食文化大好き人間です。
今回は、筆者の愛する施設 味の素食の文化センター にある、 味の素食の文化ライブラリー についてご紹介します。

味の素食の文化センターは、食文化の研究支援などを目的とした公益財団法人です。

施設は高輪台駅、品川駅から徒歩圏内。誰でも使える味の素食の文化ライブラリー無料の食文化展示室、食とくらしの小さな博物館があります。

味の素食の文化ライブラリー入口
食の文化センターの入口

自分は以前、往復2時間以上かけて月1-2回通っていました。
現在は関東から離れてしまいましたが、東京観光の際は必ず立ち寄るスポットです。

それだけ通いたくなる最高の施設なのですが、気になっていてもハードルが高いと思っている人もいるかもしれません。かくいう自分も、初回は少し緊張していました。

ということで、今回は食の文化センターの中でも ”食の専門図書館” である食の文化ライブラリーの魅力を中心に、展示やサイトについてもご紹介します。

細かい利用方法は記事の後半にまとめています!そこだけ見たい方は目次から飛べます。

執筆者はいちファンであり、関係者ではありません。最新情報などは公式をご確認ください。

味の素食の文化ライブラリーの魅力

魅力1. 蔵書数が多い

まずはやはりこれ!とにかく食関係の本がすごい数ある。約45,000冊を所蔵しているそうです。

専門的で数が多いので、一般的な方法(日本十進分類法)ではなく、食の文化ライブラリー独自の方法で分類しているとのこと。

味の素食の文化ライブラリーの図書分類表
公式サイトをもとにまとめ直したもの

私はA1,A2の歴史文化の本、C1やD1の食品学関連をメインで読んでいました。みなさまはどの棚が気になりそうでしょうか?

イチオシの棚たち

個人的イチオシは一番奥の、貴重な一次資料棚!なかなか見かけない本ばかりです。ほしいなと思ってもとても買えない値段になっていたり、そもそも売っていなかったり……。ひたすらこの棚の本を読んで過ごすことも多かったです。

雑誌では専門誌や機関誌がお気に入り。「そんな専門誌もあるのか!」とつい立ち止まってしまう、楽しいエリアです。気に入った機関誌があれば、個人で購入できるものもありますのでチェックしてみてください。

さらに、海外の本もたくさんあります。このあたりも日本の本屋さんでは見かけない本が多いですね。
語学の勉強になるのはもちろんですが、たとえまったく言葉がわからなくても、料理の写真を見ているだけでおもしろいですよ!

貴重書もおすすめ

明治〜昭和中期ぐらいまでの貴重書も、申請のうえ閲覧できます(要図書カード)。
なかでもおすすめは、味の素食の文化ライブラリーが数多く保有する雑誌『料理の友』、『食道楽』。私も閲覧したことがありますが、当時の資料がそこにあるというだけでドキドキしてしまいました。まさに「博物館でガラス越しに見るやつだ!」という感じ。

内容もさることながら、言葉遣いや広告の雰囲気も今と大きく異なり、たいへん興味深いです。直接読める機会は少ないと思いますので、興味のある方はぜひ見てみてください。

『料理の友』、『食道楽』は表紙の一覧があり、目次を確認することもできます。(味の素食の文化センター 貴重書のページへ

貴重書以外も、サイトの蔵書検索で気になるワードなどを検索しておくとスムーズです。
実際に行くとどんどん気になる本が増え、結局時間がなくなるのですが……。

図書分類表をまとめていて、こんなにも見ていないエリアがあるのかと衝撃を受けました。そもそも好きな棚だけでも読み切れていません。改めてすごい数だと感じます。

魅力2. 多くの本が貸し出し可能

こちらの食の文化ライブラリー、なんと!かなりの本が貸し出し可能!
普通の図書館にはあまりない資料も入手の難しい本も、持ち帰ってゆっくり読めるなんて最高です!

「図書館」なら当然と感じるかもしれませんが、専門図書館や企業の資料室では、一般利用はできても貸し出しは不可(館内閲覧のみ)ということも少なくありません。
資料の管理が大変ですし、仕方のないことではあります。そのぶん、「貸出可能」を掲げてくれる施設のすごさが身にしみます……!

禁帯出本はコピーかメモを

一般的な図書館と同様に、禁帯出(貸出不可)の本もあります。
その場合も、申請すれば著作権法の範囲内でコピー可能(白黒20円、カラー100円。貴重書などコピー不可本も)。研究等で必要な資料があればコピーして帰りましょう。

また、館内の撮影はできませんが、スマートフォンやノートなどを使った持参のメモは使用できます。私も興味深かった話や買いたい本、さらに調べておきたいことなど、貸し出しでは足りないぶんはたくさんメモして帰っていました。

借りる場合は持ち物の確認を

なお、貸し出しにはカードを100円で作る必要があります。
閲覧室の利用などにも貸出カードは必要になるので、予定のある方は100円と身分証明書を持っていきましょう。
1年経つと再度身分証が必要になりますが、更新費はありません。

魅力3. 館内販売もある

味の素食の文化ライブラリー内では、グッズの館内販売も行われています!
ライブラリー内に販売物の案内があり、カウンターで購入できます。現金支払いのみ。

食文化史に興味がある方へのイチオシは「秋山徳蔵 メニューカード・コレクション」

秋山徳蔵メニューカード・コレクションの写真
「天皇の料理番」のモデルとしても有名

こちらは秋山徳蔵氏がまとめたメニューカードが収録されたパソコン用CD。その数なんと2,527点!しかもカラー収録、目録つきです!

秋山氏自身の手掛けたものやヨーロッパで集めたものを中心とした、19世紀後半〜20世紀なかばごろの貴重なコレクションとなっています。

中身は「油揚鮎」、「タピヲカ」といったなんとなくわかるものから、文脈で推理できるもの、見当のつかないものまでさまざま。
たとえば、「ワニール」は「氷菓子」とあるから、きっと「バニラ」。では、「キヤベチ卷犢肉」は何でしょう?おそらくキャベツで巻いた犢肉=仔牛肉、つまりロールキャベツのような料理だったと考えられます。「犢肉」はそのまま「こうしにく」と読むのだそうです!

こうしたメニューカードを見て当時の食文化について調べたり、漢字などから推理したり、おいしそうだなあとニコニコしたりしています。装飾の美しいものも多く、眺めているだけでも楽しいですよ。

また、一緒にもらえる紙の資料には、いくつかのメニューカードとその解説、秋山氏が語ったエピソードの抜粋などが掲載されています。

なお、メニューカードは公式サイトに記載がなく、在庫がなくなり次第終了の可能性があります。

ほかにも歌川国芳「縞揃女弁慶」が描かれたクリアファイルや、食文化誌『vesta』も購入できます。vestaは館内にも置いてあるので、気になる号をチェックしておくといいかもしれません。

魅力4. 無料とは思えない展示もある

食とくらしの小さな博物館の写真
入口にはマスコットキャラクターのアジパンダさん

こちらは正確には「食の文化ライブラリー」ではありませんが、2階の「食とくらしの小さな博物館」&食文化展示室もおすすめ!ライブラリーがメインの方も、時間があればぜひ見てほしいです。予約不要、完全無料です。

名前のとおりそこまで広いわけではないものの、動画や音声、昔の部屋の再現展示、当時の広告ポスターや流行した商品などがずらっと並んでいて見応えがあります。

味の素販売当時のチラシ
1909年のチラシ。「愛用家」として大隈重信、『食道楽』著者の村井弦斎などの名前が。

自分は古い広告やジオラマが大好きなので、たまに見学に行っていました。何回行っても、ひとつひとつ眺めてついゆっくりしてしまいます。

食文化好きはもちろん、広告史や昔のおもちゃに興味がある方にもおすすめです。

なお、撮影は一部コーナーのみ可能です。

味の素食の文化ライブラリーの具体的な利用方法

では、味の素食の文化ライブラリーの具体的な利用方法をまとめます!

高輪台駅から徒歩約4分、品川駅から徒歩約15分。落ち着いた感じのエリアをしばらく歩くと、ブラウンの大きな建物が出てきます。

思いっきり「研修センター」と書いてあって「あれ?入っていいよね?」と初回はドキドキしましたが、大丈夫です!正面から普通に入ってください。

入ったら、左斜め前にある総合受付で名前などを記入。いつも人がいるので、わからないことがあれば教えてもらえると思います。
そこで入館バッジをもらい、入口すぐ左の食の文化ライブラリーへ。展示を見る方は、左側の階段で2階に上がります。

食の文化ライブラリーや展示室への案内図
床にも案内が

ライブラリーではバッグなどは入る前にロッカーに預け、貴重品は透明なバッグに入れて携帯します。

貴重品を入れるロッカー
無料ロッカー。左に写っているのが持ち込み用バッグ
味の素食の文化ライブラリーの入口写真
荷物を預けたら、いざライブラリー内へ

入口すぐに新刊・企画書架と受付カウンター、そして左側にメインの書棚が。
ちなみにトイレもライブラリー内にあり、入って右側です。

設備として、自由に利用できるソファ席、机のある閲覧席、グループ利用ができるラーニングコモンズ(閲覧室)、コピー機などがあります。閲覧席や閲覧室は申請制。
以前は動画が見られるライブラリーもありましたが、リニューアル後(2025年以降)は再開予定がないようです。

本を借りるなら、受付カウンターに借りたい本を持っていき、貸し出しをお願いするだけ。期限は3週間、5冊までです。
貸し出しには図書カードを100円で作る必要があるため、初回の方は身分証明書と現金を忘れずに。
コピー、閲覧席利用、閉架資料などの申請もカウンターで行います。

返却はライブラリーのカウンターか、食の文化センター施設入口の受付か、郵送でも可能。

味の素食の文化ライブラリーの返却時間と場所
返却時間と場所のまとめ

郵送で返却するときは、自分は施設名に続けて「返却図書在中」と書き、水濡れや破損のないようにビニールなどで包んでから配送しています。

また、味の素食の文化センターの公式サイトに開館スケジュールのカレンダーがあります。たまに臨時休館日がありますので、なるべく訪問前に確認を!
食の文化ライブラリー 利用方法

なお、自分が頻繁に通っていたのはリニューアル前となっています。リニューアル後、執筆直前にも訪れて確認はしていますが、気になることがあれば公式サイトをご確認ください。

施設にいたマスコットキャラクターの写真
いろんなところにアジパンダさん。かわいい

番外:サイトもすごいのでぜひ見てほしい

ここまで味の素食の文化センターの建物の紹介をしてきましたが、「遠くてなかなか行けないけど、食文化には興味がある」という方には、味の素食の文化センター公式サイトもおすすめ!

ビジュアルコンテンツ&コラム

・映像アーカイブス
食文化誌『vesta』の見どころ紹介、公開シンポジウムなどの動画を掲載
・石毛直道アーカイブス
食文化研究の第一人者・石毛直道さんの調査記録画像や文章
・錦絵ギャラリー
味の素食の文化センター保有の、食文化に関する大量の錦絵のデータ
ズームや検索機能があり、解説つきのものも

なるべくサクッと書きましたが、それぞれしっかりボリュームがあって贅沢な内容となっています。

さらにコラムページでは、石毛さんの「大食軒酩酊の食文化」
『浮世絵に見る 江戸の食卓』などの著者、林綾野さんによる「食でひもとく浮世絵の楽しみ」も読むことができます。こちらも豪華……!

江戸・明治の書籍

味の素食の文化センターが保有している、食に関する江戸(一部明治)の古典籍が公開されています。『江戸名所図会』『豆腐百珍』など、有名な本がたくさんあります!
利用規約を守れば画像の利用も可能です。詳細は公式サイトへ。

江戸名所図会の例示
『江戸名所図會』(味の素食の文化センター所蔵)、画像部分を切り抜き
撮影:国文研、出典: 国書データベース

たとえばこちらは『江戸名所図会』より、筆者の好きな「二十六夜待」のページ。
宴会の様子、男性がかじっているスイカなど、かなり細かいところまで鮮明にズームできます。ずっと見てしまう……。(※このページではブログ用画像なので画質が落ちています)

メルマガ会員限定ページ

メールマガジン会員のみアクセスできる限定ページでは、会員限定の動画や、食文化誌『vesta』のバックナンバーを無料で閲覧できます。
もちろん登録無料。メールが来るのは月に1回、たまにイベントがあると2回くらい、という感覚です。

公開シンポジウム

公式サイトとは少し外れますが、センター主催の公開シンポジウムも不定期で行われています。
テーマは各回によってさまざまで、専門家の方が何名か来て登壇するイメージ。無料でオンライン参加可能です。

録画が配信されることも多いですが、参加者はオンラインでも質問をする機会があります。そのため、興味があるテーマなら参加してみることをおすすめします!

おわりに:食文化史以外もたくさんあります

ここまで味の素食の文化ライブラリーを中心に、センターや公式サイトについてご紹介しました。

個人的な趣味で食文化・歴史系がメインになってしまいましたが、ほかにもレシピ、農産業、外食産業、食糧問題、食育、衛生、健康、食エッセイなどなど……、とにかく「食」に関する情報がそろっている場所です。

そういうものにちょっと興味があるなら、研究者じゃなくても、食文化好きじゃなくても大丈夫!普通のきれいな施設ですし、スタッフさんたちもいつも親切です。

もし「行ってみたい」と感じていただけたら、いちファンとして本当に嬉しいです!

(実は味の素食の文化ライブラリーは大阪にもあったのですが、残念ながら2026年6月時点では休館中です。現在は関西に住んでいるので、ドキドキしながら定期的にサイトを確認しています。再開を願って……。)

味の素食の文化ライブラリー・食文化展示室

〒108-0074
東京都港区高輪3-13-65
味の素グループ高輪研修センター内

開館日
  月曜日〜土曜日
開館時間 午前10時〜午後5時
休館日  日曜日、国民の祝日、年末年始、図書整理期間など

基本情報・アクセス

味の素食の文化センター 公式サイト

味の素食の文化センター 公式SNS: